目次
/
民俗編
/
第四章 衣食住
/
第三節 食生活
/
3 餅と粉食
ソバガキ・コガシ
340 ~ 340
ソバガキは、片口(かたくち)か丼に蕎麦粉を入れ、熱湯を加えて練り、醤油をつけて食べた。コガシは、ホウロクで煎った大麦を石臼で粉にひいたものである。茶碗に大麦の粉と砂糖を入れてかき混ぜ、口に放りこみ、唾でしっとりさせて飲み込んだ。子どもには湯を注いで練ってから食べさせた。明治三十七年生まれの方によると、大麦の収穫後、「お初を食べよう」「悪い話を聞かないうちにホガケべえや」といってコガシを食べたという。ホカケとは、初物を食べることである。