多摩市内の鎮守神社は、昭和三十八年以降、馬引沢地区の諏訪神社と和田地区の愛宕神社、落合地区の上之根(かみのね)(下落合)の八坂神社を除いて、すべて九月第二日曜日を本祭りとするようになった。祭礼日統一の大きな理由は、かつて九月になると各地区の鎮守神社の祭礼が日を追って催され、これに児童・生徒が学校を休んで巡り歩くということが目立ったところから、PTAや教育界から祭礼日の集中により不登校の弊害を除こう、との配慮により決定されたものである。
なお、鎮守とは別に講中により祀られる神社の場合は、一部を除いて当時はさほど変化を見せなかった。その背景には祭りの規模が鎮守の祭礼に比べて小規模で、あえて祭日の変更を必要としなかったものと考えられる。しかし、これらの神社の最近の祭日についてみてみると、まだ農家が多く平日でも対応できた状態から、勤め人が祀り手として多くなってきたことにより、現在においては、旧来の祭礼日に近い土・日曜日に当てられることが多くなっている。
以下、順次地区ごとに、それぞれに祀られる鎮守神社、および地区内の他の神社を見ていくことにする。