かつて稲荷社は在来家の伊野姓を中心に一二、三軒の原並木講中で祀られていた。伝承では、伊野家の稲荷を地域の稲荷として村に差し出したものともされる。二月の初午の祭礼には、講中の各家ごとに藁のツトッコに赤飯をいれ、その他油揚げや目刺しをお供えした。境内では太鼓を出して賑やかに叩いたりもした。
写真5-27 並木稲荷社
昭和五十五年ころ稲荷社のところに「並木稲荷自治会館」が建設されてからは、並木自治会で初午を行うようになった。例年自治会役員を中心に一〇数名が初午の日の午後自治会館で軽く直会を行っている。直会の経費は自治会費から当てている。