百草講中の草分け八軒で祀りだした稲荷とされる。草分けとその分家の二〇数軒が、二月の初午に赤飯・目刺し・油揚げをお供えし、神官を頼み共同で神事をし、直会を行ったこともあった。しかし昭和六十年ころ、境内地の一部が売却され、それを機会に大部分の分家が祭りへの参加をやめ、現在は草分け中の七軒が初午の日に揃って社殿を掃除した後に参拝し、その後軽くお茶を飲む程度になっている。
境内には「(正面)奉献御神前、(左側面)正一位稲荷大明神、(右側面)武州多磨郡百草村、(裏)時文政五次壬午天二月朔日」の灯籠がたつ。社殿内には、金比羅宮、妙義神社、秋葉神社が合祀されている。
写真5-28 恋路稲荷神社