観音寺

470 ~ 471
真言宗豊山派、本尊は聖観音である。関戸地区を中心として約七〇戸の檀家がある。当寺には正規の檀家のほか墓檀家(はかだんか)が四〇軒ほどある。墓檀家とは、当寺の無住時代に、境内に墓を持つものの、菩提寺としての供養が行われないために、僧侶のいる近隣の寺に菩提寺をかえてしまった檀家である。墓檀家は墓が観音寺にあることから年間の墓地料を納める。また、盆には現在の菩提寺の棚経に加え、観音寺の住職による棚経も受けるという、二重の檀家制度となっている。これら墓檀家の菩提寺は寿徳寺・大福寺・観蔵院(いずれも曹洞宗)だが、必ずしも宗派に規定されてはいない。
 年間行事としては正月の護摩、四月二十一日に弘法大師の護摩、五月十六日に関戸合戦の戦死者供養の法会、七月三十一日に盆施餓鬼、八月十三日から十五日まで棚経、十月七日に観音様の護摩、などが行われる。この他、月二回、住職による御詠歌の講習会が催されている。
 当寺は、武相三十三観音第七番札所、多摩川観音第十二番札所、多摩川新四国八十八か所第十六番札所にそれぞれ当っている。観音霊場としての御詠歌は「真如界 霞ケ関の観世音 慈眼散じて救いもらさず」とうたわれる。

写真5-69 観音寺で出す札


写真5-70 聖観世音像(観音寺)