高西寺

473 ~ 475
曹洞宗、本尊は大日如来である。明治時代から続く古い檀家は八五戸、現在は二五〇戸である。古くからの檀家はほとんどが連光寺地区本村だが、馬引沢(まひきざわ)に一〇戸、府中市の南町に一〇戸の檀家がある。府中市の檀家は、洪水で川の流れが変わり府中市側になった旧下河原に居住する。
 寺の役員組織としては六人で構成される役員会がある。これは代表役員である住職の他に、三名の檀家総代と、責任役員である寿徳寺と大福寺の二か寺から成る。責任役員は寺の管理などを住職と協議し、同じ宗派であり結び付きが深いことからさきの二か寺が勤めている。三人の檀家総代は住職が任命することになっているが、固定した三軒が代々勤めている。またこれとは別に一三人の世話人がいる。これはそれぞれの地域の代表で、本家筋にあたる人を住職が任命している。

写真5-73 高西寺

 元旦には修正会を行い、朝方に住職が一人で経をあげるが、参拝者はいない。七日には檀家が新年の挨拶に来る。
 節分には寺では経をあげている。
 春・秋の彼岸には中日に彼岸会の法要を行っている。彼岸の期間中檀家は墓参りに訪れるが、特に卒塔婆供養などはしない。
 四月八日の花祭りでは住職が本堂で法要をし、本堂の前に花御堂(はなみどう)と誕生仏を出しておく。また、付属のみゆき幼稚園の行事として月遅れで毎年五月八日から十日の間に花祭りが行われる。園児は花を持ち寄って花御堂を飾りつけ、お釈迦様の話を聞き、張り子の象を引く。
 八月十日にはお施餓鬼を行っている。檀家が集まり、毎年午後から説教師による説教をし、この後、卒塔婆供養を行う。檀家はこれを持ち帰り、八月十五日(または十六日)の盆の送りの際に墓参りをして卒塔婆を立てる。
 盆は八月十三日から十五日に行っている。寺では朝の勤行の後、新盆の檀家の棚経に出る。棚経はかつては檀家全戸をまわっていたが、平成四年ころから新盆の家だけにした。
 境内には聖観音、延命地蔵、水子地蔵、門前に光妙真言供養碑、六地蔵などが祀られるが、特にまつりは行っていない。