大乗寺

483 ~ 484
日蓮宗、本尊は法華経曼荼(だ)羅である。当寺は昭和四十六年に北区中里から移転した。

写真5-80 大乗寺境内の入口

現在の檀信徒の数はおよそ一〇〇戸ほどである。多くは駒込時代からの檀信徒だが、多摩市に移ってからの新しい檀信徒も一〇数戸ある。これは多摩市に住む日蓮宗の人(分家した人や新たに多摩に移り住んだ人)や、大乗寺の墓地を買った人などである。
 寺の役員は檀信徒の中から総代三名を住職が任命している。この三名の総代の中から責任役員一名を選出する。
 新年は三が日に祝頭会を行う。これは平成七年からはじめた行事で、午後一時ごろに檀家が集まって経をあげるというものである。
 春・秋の彼岸は中日に檀家が集まり彼岸法要をし、この時塔婆供養も行う。法要が終わると一同で食事をし、その後に墓参りをして墓に塔婆を立てて帰る。
 お施餓鬼は毎年七月最後の日曜日に行っている。一時間程度説教をし、その後で一時間程度法要を行う。塔婆供養は行わない。この時は布教師を招き説教してもらうほか、他寺の僧二~三人の応援で供養をする。
 盆行事は七月と八月の二度行っている。これは檀信徒の家の盆に合わせて行うためである。盆行事は棚経が中心となり、盆の期間中は朝の勤めを終えると一日中檀信徒の家をまわることになる。ことに七月の盆は都心が中心で、檀信徒が多く住む駒込(北区)周辺の家々をまわっている。
 十月の最終日曜日には檀信徒を集めてお会式(えしき)法要を行っている。これは日蓮に対する報恩謝徳の法要で二〇~三〇人が集まる。午後に集まり、経をあげた後に食事をするといった内容になっている。
 大乗寺では月に一度「信行会」という集まりをもっている。これは言わば経を詠む稽古のようなもので駒込時代から続いている。ほぼ固定したメンバー二〇人程度が集まるが、檀信徒が檀信徒ではない自分の友人を誘って参加することもある。勤経後に茶飲み話をして散会となる。