目次
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民俗編
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第五章 信仰と祭り
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第六節 寺院行事と檀家組織
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7 東寺方地区
宝泉院
489 ~ 490
真言宗智山派、本尊は十一面観音である。当寺は、東寺方地区に住む塩沢家の菩提寺であった。乞田地区の吉祥院が兼務してきたが、戦後に現住職が入寺した。檀家は近隣の一〇軒ほどと、境内墓地を分譲して新たに檀家になった一〇数軒のみである。
写真5-83 宝泉院入口の石塔群
新年には住職による元旦の法要がある。年賀として開運しゃもじを出すのを恒例としている。二月節分のほか寺だけで行う行事がほとんどで、檀家がくるのは、四月八日の花祭り、八月十三日の施餓鬼法要、それに門前に立てられている地蔵と庚申塔の供養をする十月三日などとなっている。この内十月三日は本来、村の宿廻りのお籠り行事であったものが、昭和四十年代に中断してしまったところから、寺が供養と宿代わりを勤めるようになった、というものである。