妙桜寺

492 ~ 494
日蓮宗、本尊は法華経曼荼羅である。現住職が昭和三十二年に宗教法人妙桜教会を杉並区で設立し、昭和五十三年に現在地に移転した。妙桜寺では寺の墓地を買った人を檀家と呼んでいる。檀家は現在一六〇戸で、その多くが新たに移り住んで来た人たちである。分布は多摩地区一帯から神奈川県、都区内と広範で地域的な傾向はない。多摩市内に住む檀家は一〇数軒といった程度である。

写真5-85 妙桜寺

 当寺ではこの他に準檀家という家も五〇〇~六〇〇軒ある。準檀家は墓地は持っていないが葬式や法事をする家で、他所の霊園などに墓を持つ日蓮宗などの信者である。
 檀家総代は三人で、法人の代表役員である住職が任命する。法人の組織としては責任役員が三名おり、それは代表役員(住職)一名、正副関与人各一名から成る。正副関与人は檀家総代のうちの一人が勤める。
 新年には祈祷会を行い、正月三が日の間は日中に法要を行う。檀家には正月二日に法要のために集まってもらう。
 二月三日の節分には日中に本堂で経をあげて豆撒きをする。この日は檀家に案内パンフレットを出すので、全員ではないものの檀家と準檀家が集まり一緒に法要をする。
 春の彼岸では、彼岸の期間中の日曜日に彼岸法要を行う。檀家が墓参りに訪れるので、法要の際には塔婆を書いて経をあげる。塔婆を受けた檀家はそれを墓に立てて帰る。秋の彼岸も同様にする。
 盆は七月十三日から十五日までと一定している。この期間中もしくは前後の日曜日にすべての檀家を集めて施餓鬼法要を行う。この時は集まる檀家も多いので彼岸の供養よりも塔婆があがる。
 十月半ばの日曜日にはお会式で、檀家を集めて経をあげて法話をする。
 十二月二十二日は冬至で、星祭りを行う。これは開運の祈願で、寺だけで行う行事である。この時は檀家や信者から申し込みのあった厄除けを作り、翌年の正月などに配っている。