煤掃きの日の夕食は、蕎麦(そば)やうどんを打ち、豆腐汁などを作って一日の労をねぎらった。また、座敷に切ってある炬燵(こたつ)を使い始めるのもこの日である。
煤掃きが終わると、天気のよい日に障子の張り替えをした。小麦粉を煮て糊を作り、きれいに洗った桟(さん)に新しい障子紙を張った。
写真6-1 障子の桟を洗う(昭和18年)
屋内の囲炉裏(いろり)や竃(かまど)で薪を焚いて生活していたころは、家中が煤けてしまうので、定期的に煤を払う必要があった。囲炉裏や竃を使わなくなってからは、煤を掃く必要はないが、正月を迎える準備として、神棚を拭き清めたり、ふだん手をかけていない場所の掃除をする家が多い。