目次
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民俗編
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第六章 年中行事
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第二節 年中行事
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1 正月準備・正月
餅つき
504 ~ 505
早い家では、十二月二十七日か二十八日、遅い家では三十日に餅つきをした。クンチモチはいけないといい、九のつく日、つまり二十九日には餅つきはしなかった。また、煤掃きと同じように卯の日はさけた。「一夜餅はつかない」といって三十一日にはつかなかった。落合地区唐木田(からきだ)には十二月に餅をつかず、一月に餅つきをする一族があるが、これは、昔、本家で十二月に火事があったからだという。餅がつき上がると、のし板に移し、お供えやのし餅にした。まず、オスワリとよばれるお供えを作る。年神に供えるオスワリや仏壇や屋敷神などに供える小さなものまで八組から一〇組くらいは作った。たとえば図6-3に示した家では年神・大神宮・エビス大黒・荒神(こうじん)・仏壇・稲荷(屋敷神)・土蔵・庚申神に供えた。その年に嫁を迎えた家では、ヨメノモチ(嫁の餅)をつき、嫁の実家へ贈った。
図6-3 正月行事の場所
①お供え餅一組
②幣束
③お神酒
④お雑器
…注連縄
( )各部屋の名称
写真6-4 荒神様
写真6-5 正月の神棚