春の大掃除

527 ~ 527
蚕の掃き立てをする前に大掃除があった。養蚕の道具ばかりではなく、家中の道具類から畳まで外に出し、日光に当てた。蚕室になる二階や三階の敷物も外に運んで日に当てた。朝早くから始めても、道具を出し終わったころに昼になった。昼食がすむと、笹竹で天井や屋根裏の煤を落とす。また、床下にもぐって掃除をした。畳や敷物を叩いて中に運び入れ、元の通りにするまで一日がかりであった。歳末の大掃除とほぼ同じことをする。