乞田地区永山ではマンガアライといい、田植えが終わると、マンガなどの道具を洗ってお神酒をかけて片付けた。落合地区青木葉(おうきば)では、田植えのあと、夏上がりといって嫁に赤飯を持たせて里帰りさせた。実家では、海苔巻きや五目ご飯などのご馳走を作って待っており、婚家に帰るときには、うどんや五目ご飯を土産に持たせた。一ノ宮地区では、農作業に使った道具を洗い、苗の束を荒神に供え、灯明をあげる家があった(写真6-19)。
写真6-19 荒神に供えられた苗束
いずれにしても農繁期の貴重な休み日であり、田植え正月、三日正月などといって、ムラでいっせいに仕事休みをとった。