送り火

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迎え火はなるべく早く焚くが、送り火はできるだけ遅い方がよいといった。夕食後、一眠りして真夜中に送る家もあった。迎え火とは逆に家から墓へ向かって何か所かで焚いた。夜中であるため、墓までは行かずにジョウグチや道の辻で送り火を焚いた家もある。落合地区青木葉の例では、送り火は、茄子の馬、馬の飼葉である刻んだ茄子、ぼた餅など盆棚に供えたものを置き、そこで小麦のカラを燃やした。茄子の馬などは、そのまま辻に朽ちるまで置いておいた。塔婆は十六日に墓へ納めに行った。盆棚は十六日にこわすが、その前に水とオサンゴウ(お散供)を供え、線香をあげたという。

写真6-25 送り火