十五夜

536 ~ 537
旧暦八月十五日は十五夜の月見をする。
この日の夕方、月が見える縁側に台を置き、一五個の月見団子、豆腐、灯明、お神酒を供え、ハクチョウとよばれる白鳥徳利にすすきとおみなえしを飾った。また、さつま芋や里芋、柿、栗など家でとれた作物を供えた。

写真6-27 月見の供え物

 十五夜の夜は、子どもたちが近所の家を回り供え物を盗んだ。離れた所から竹竿で団子を刺したという。この夜、十五夜の供物を盗ることは公認されていて、大人は見て見ぬふりをするものであった。
 その年によっては旧暦の八月十五日が早くて、畑の作物が間に合わないこともあった。さつま芋や里芋は収穫前のことが多く、お供えのために探り掘りをして大きいものを一株から一つくらい取って間に合わせる年もあった。