エビス講

538 ~ 539
一月二十日と十月二十日はエビス講であって、どちらも同じように祝った。エビスと大黒は、ふだんはエビス棚や神棚にまつられているが、この日は棚から下ろして、床の間や座敷の正面などに据え、お頭付きの魚、赤飯、お金を入れた一升桝を供えた。お頭付きの魚といっても鯛は高価なため、鯖か秋刀魚(さんま)が多かった。

写真6-28 エビス・大黒像とエビス講の供え物

 エビス様は働き者で、翌朝には朝飯前から働きに出かけるといい、朝、灯明と持っているお金をみな供えれば、倍にして返してくれるのだという。また、エビス様に供えたものは他家へ嫁ぐ子女には食べさせなかった。これは入ってくる財産が減るからだという。