十二月一日はカワビタリといい、この日にはぼた餅を作った。これをカワビタリボタモチといった。川へ行って尻を浸してくる日だといわれており、関戸地区では「川へ行って尻を浸してくるまでぼた餅は食うもんじゃねえ」と親から言われたという。このように川で尻を浸してくるという伝承は市域でひろく聞くことができる。
ちょうど大根が太くなるころであって、一ノ宮地区では、この日、嫁が川で尻を浸すと大根が驚いて太り、首を出すのだと伝える家がある。
『多摩町誌』によると、最初は馬にぼた餅を食べさせ、ネッテツのボタモチといって馬小屋に供えるといったというが、現在では聞くことはできない。