C家女児の祝い(大正)

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C家では大正三年二月一日に、長女が出生した。その祝いには、産着、襦袢、鰹節、白米、麻の葉の模様の反物などが贈られている。すぐに、初節供の祝いとして、雛人形、そして、金銭は雛代として贈られている。そのお返しには、雛餅、赤飯、蕎麦、家によって鰹節を贈っている。四月十一日の「かつ祝着」では、紋付、絹更紗(さらさ)の下着、メリンスが三名から贈られている。大正三年十二月の「羽子板」では、七名から、羽子板の長さ曲尺で一尺五寸箱入りの人形二人付きのものから、一尺三寸二分のものまでが贈られている。羽子板も弓破魔と同様に、大きさがその家とのつき合いの程度や贈る家の経済を反映して問題なのであろう。克明に記録されている。同じムラの者五名からも贈られているが、上物の羽子板二名、並の羽子板一名、その他二名となっており、ムラ内でもつき合いに濃淡があることがうかがえる。