D家の結婚(江戸)

555 ~ 556
D家の「諸組祝儀覚帳」嘉永四年(一八五一)三月の記録を見てみよう。
祝儀は、金銭では八〇〇文が一名、四〇〇文が一一名、二〇〇文が六名、二〇〇疋が一名、一〇〇疋が二名、二朱が二名、一分が一名でしめて二両一分二〇〇文となっている。ほとんどの人々が、紙、扇子一対、鰹節などの品物も贈っており、合わせて二六名の者が祝っている。また、D家から出された祝儀は、しめて五貫六〇〇文にのぼり、子守、村番人、船頭、親戚の子ども、瞽女(ごぜ)などにも渡されている。結納金は金三両で、他に品代を支出している。また、樽七つに、二貫一〇〇文を要している。これは、規模の大きな婚礼と思われる。この古文書には、儀礼の内容については記録されていない。