産湯には新調の盥(たらい)が用いられる。産湯の捨て場所は明きの方、乾(いぬい)の方、陽の当たらない場所など、家によって色々であるが、陽の当たらないところということはみなに共通した考え方である。
胎盤は、エナとかノチザンという。エナも産湯と同様に大黒柱の下に埋めるとか、流しの下、土台の下に埋め石を乗せておくなどするが、明きの方、足の踏まないところ、逆に人によく踏まれるところ、陽の当たらないところなどは産湯の捨て場と共通する意識である。男児のエナには筆と墨、女児のエナには針を入れて埋める家もある。