角樽(つのだる)や挟み箱に物品を入れて持参し、口上よろしく先方へ贈るが、次第に物品の代わりに金銭が主体となり、「目録」を持って行くようになった。結納の品は、酒、帯代、昆布、鯣(するめ)、麻などである。
写真7-18 結納の目録
写真7-19 結納の目録
受ける側では嫁、両親、嫁方の仲人などが立ち会う。そして、「受け取」を出し、酒肴をもって歓待し、結婚の日取り、人員などを決める。
結婚式は、結納から早くても一か月後ぐらいで、それも農作業がまだ始まらない時期が多かった。具体的な時期としては四月ころが多かった。結納金は、家によっても異なるが、昭和七年で五〇円、昭和十六年で三〇〇円、昭和二十七年で一万円が一般的であった。