目次
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民俗編
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第七章 誕生から死まで
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第三節 青年・壮年期―人と社会―
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1 青年の生活と結婚
入家の式
578 ~ 578
嫁の行列の出迎えには、クミアイの人たちが出た。嫁が婿方に着くと、松明(たいまつ)がともされ、男女の子どもがトンボグチの左右にてその火を持ってきている。嫁はこれをまたぎ、笠をかざしたりして勝手口から入る。このあと嫁はナンドに入る。送ってきた客人は、玄関なり縁側から入る。持ってきた提灯は、挨拶が終わるまで灯を消さない。嫁方の荷が先に来れば表座敷に飾られるが、万一にも遅れる場合は、嫁は荷がついて飾られるまで、小部屋で待った場合もあった。
写真7-21 トンボグチで嫁が火をまたぐ(昭和39年)