嫁がヘヤ(ナンド)で披露宴が始まるのを待っている間に、ヘヤで祝言の杯をしたり、親子兄弟の杯を交わしたりするところがある。双方の仲人、婿と婿の両親、兄弟がヘヤに入り、そこでまず婿と嫁との間で三三九度のアイサカズキが行われる。つぎに、嫁と婿の両親とのオヤコノサカズキ、さらに嫁と婿の兄弟姉妹の間でキョウダイサカズキが行われる。酒を注ぐのは雄蝶と雌蝶役の子どもである。この杯ごとが終えると、客の待つ座敷に行き、ヒロメとなる。
写真7-22 三三九度用の銚子
写真7-23 三三九度用の杯
なお、家の客人が座している晴れの座敷で、ヒロメの始まる前に屏風(びょうぶ)で仕切りなどをして、祝言、親子兄弟、親類杯を交わすところもある。