嫁入り道具

580 ~ 581
嫁入り道具の主なものは、箪笥(たんす)、長持ち、布団類だった。これに盥(たらい)、張り板、針箱、鏡などで小物類は挟み箱に入れて担ぎ、他の多くは荷車で運んだ。先方に着けば、家の人と相談の上で表座敷に飾りつけ終わったところで、荷役のものには祝儀が出たり、ご馳走も出されるのだが、荷造りに用いた薦(こも)や縄などは嫁に里心がついたり、再びこれで荷造りして自分の家に帰られては困るなど縁起を担いで、すべて実家に持ち帰らなければならない。

写真7-25 挟み箱