ヒキャク

583 ~ 583
不幸にして死者が出ると、まずクミアイに通知し、クミアイの人々に集まってもらう。そして、喪家と相談して葬式の段取りを取り決める。役所に死亡届を出し、寺では葬式の日取りや出棺の時刻を決める。親戚、縁者、知人などや死者が生前に深い関係にあった家などに通知しなければならない。この使者には多くはクミアイのものが当たり、必ず二人一組となって、二組から三組つくる。この死亡を知らせに行くことを、ヒキャクをたてるとかサタに行くという。ヒキャクは親戚の家に着いたら、死亡時刻を知らせ、葬式の日取りと出棺の時刻を知らせる。ヒキャクを受けた側でも、直ちにご飯を炊いて豆腐などを肴にして酒を出し、労をねぎらう。人の死は、不意のできごとであるので、常に白米一升とわずかばかりの金銭は用意しておくものだともいう。