枕団子

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家では布団を普段と反対方向に敷き変え、死者を北向きに寝かせて、枕元には魔よけとして刃物をおき、地区によっては箒(ほうき)を死者の上に置くところもある。ヒキャクがサタに行っている間に、残っている者は椀一杯くらいの玄米を粉に挽き、団子を六個つくる。また、団子を茹(ゆ)でたのと同じ水で玄米一合を炊き、茶わんに高盛りして中央に箸二本をたて、ともに枕元に供える。枕団子を作るには、普段使っている竃(かまど)とは別のところでつくる。梯子(はしご)を横にしてその左右を木で支え、中央に縄をつるして鍋をかける。鍋は古い鍋を使用して、使った後は捨てる。こうしてつくった団子のことをマクラダンゴ(枕団子)といい、飯とともに葬式のとき墓まで持って行き、埋葬とともに埋める。
 死者が、黄泉の道に迷うからといって、供える線香は一人一本に限られている。