目次
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民俗編
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第七章 誕生から死まで
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第四節 老齢期と死への思い―死との出会い―
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1 死とその周辺
死者への禁忌
585 ~ 585
葬儀に用いた諸道具はそのあと一週間は使用しなかったり、豆腐を切る場合も刃物を用いずに箸で切るとか、死者に着せる経帷子(かたびら)を縫う場合、あるいは着せる場合などすべてが日常と反対の方法で行う。例えば帷子を縫うにしても左前に麻糸で大勢の手を借りて縫い、糸の両端は止めずに縫ったままとする。着せる場合も左前に着せ、手甲・脚半(きゃはん)・足袋なども左右を違えてつけたりする。