出棺

586 ~ 587
僧が座敷で経を唱えはじめて、その半ばに講中の者が鉦をたたく。一番鉦、二番鉦、三番鉦とたたかれると出棺する。一番鉦の音を聞いて近所の人が集まってくるので、この一番鉦を寄せ鉦ともいう。近親者は棺を座敷の中央にだし、最後のお別れを行う。僧は経を唱えて引導を渡す。引導が渡されると石で釘を打ち棺のふたをする。
 近親者が棺を担いで縁側から庭にだし、そこからは穴掘りに引き渡す。近親者は、草履を縁側から履きおろし、講中の者が鉦たたきでこれを先導にし、提灯、竜の口、六道の灯明、小天蓋、大幡などをもった葬列の後に従う。これに棺が続いて、読経とともに庭前を三回左回りしたあと、竹を曲げて作った仮門を潜り墓へ向かう。