香典は葬式の日の午前中に持って行った。親類はお金のほかに、すぐに食べられるようにと、赤飯をハンダイに入れて持って行った。親戚の家でもすべての親戚が持ってくるのではなく、濃い親類の家で持ってくる。他の家では、赤飯料(「施鬼飯料」と書かれることが多い)としてお金で持ってきた。近所の人は、香典とお金と米二升を自分の食いぶちとして持ってきた。米は、布を縫い合わせた巾着袋のような布袋に入れて棺の前に供えて置き、出棺したらそれらを米櫃にいれ、袋は持ち帰る。
香典返しは、一般の人には香典の受付の場所で渡し、親類は本膳を食べて帰るので膳につけて出して置く。品物は、饅頭(まんじゅう)や羊羹(ようかん)が多かった。講中の者へのお返しは、念仏の後に焼き饅頭や砂糖菓子を出す。