〈ほととぎすの鳴き声〉

612 ~ 612
鳴き声が「弟の喉(のど)をつついた、弟の喉をつついた」って鳴くんだってな。弟をかわいがってんと、かわいがってると思って弟の喉をつついてみたら、決していいものばかり食べているわけじゃなかったと。それで供養に「弟の喉つついた、弟の喉つついた」と鳴いて、今もそうして鳴いているんだと。ほととぎすはな、そんなことを聞いたことがあるけどね。

(東寺方 並木冨久治)

 ほととぎすの鳴き声のいわれを説明する昔話である。市域では、ほととぎすについて「八千八声(はっせんやこえ)鳴く」とか「オット ノド ツッキッタ」と鳴くという伝承がある。鳴き声のいわれは知らないが「オット ノド ツッキッタ」と鳴くということを知っている人は多い。