何か用事を頼まれて、行ってこいって言われたんだけど、口でそれを言い言い行ったんだけんど、その細い川を「どっこいしょ」って渡ったら、前のことば忘れたなんて。
団子がどっこいしょになって「どっこいしょくれ」って言ったら「どっこいしょなんてないよ」「でもどっこいしょだ」って、どうづかれた(叩かれた)らね、瘤(こぶ)ができて「なんだ」ったら「それだ」「団子みたいな瘤ができた」「ああ、その団子だ」。
どこだかに行って団子、ご馳走になった。あんまりうまいんで名前を忘れないように「団子、団子」って言って帰ったが、堀だか渡るときに「どっこいしょ」って言ってまたいじゃった。それからうちに行って「どっこいしょこしれえろ、どっこいしょこしれえろ」って。そんな話聞いたことがある。
(南野 萩生田定一)
団子がどっこいしょになって「どっこいしょくれ」って言ったら「どっこいしょなんてないよ」「でもどっこいしょだ」って、どうづかれた(叩かれた)らね、瘤(こぶ)ができて「なんだ」ったら「それだ」「団子みたいな瘤ができた」「ああ、その団子だ」。
(南野 萩生田常一)
どこだかに行って団子、ご馳走になった。あんまりうまいんで名前を忘れないように「団子、団子」って言って帰ったが、堀だか渡るときに「どっこいしょ」って言ってまたいじゃった。それからうちに行って「どっこいしょこしれえろ、どっこいしょこしれえろ」って。そんな話聞いたことがある。
(落合地区座談会)
これは「団子婿」といい愚か村話の代表的な話であり、近隣でもひろく伝えられている話である。ここに取り上げたほかにも聞いたことがあるという人は多い。