豆鉄砲を持っていって鳩を撃ったらね、鳩が落っこちてきてね、それで獲れたと。豆鉄砲だから、死んじゃったんじゃなくて気を失っただけだから、飛び出しちゃってね。腰へつけたのが飛び出して、(自分の体ごと)上へ上がって、山へ落っこったらね、それで、立つとって、でっかい木の株につかまったら、それがでっかい兎でね。そんで兎を持ってったら、兎が逃げるとって、(地面を)掻(か)いたら、山芋掘っちゃった。だからね、豆鉄砲を作ったために、鳩を腰いっぱい獲ってね、それからでっかい兎を獲ってね、それから山芋を一背負(ひとしょ)い採ったなんていう話。
(南野 萩生田常一)
『日本昔話大成』では「鴨取権兵衛(かもとりごんべえ)」という題で収録されている。話者によればおもしろい話なので子供たちに人気があったという。