崖が崩れてちょうど人が入れるくらいの穴があり、そこに湧き水がたまっていた。そこにアズキトギババアがいたという。悪いことをする子供はアズキトギババアに食べられてしまうといわれ、その前は走って通った。ジョキジョキと小豆をとぐ音がしたという。
（貝取 男 大正生まれ）
多摩市内には、このようなアズキトギ婆の話をところどころで聞くことができる。いずれも貝取地区のような湧き水の出る場所や乞田川沿いであり、水にかかわる妖怪であることがわかる。
水にかかわる妖怪に、カッパもあった。夕方まで川で遊んでいると「カッパにシリコダマ抜かれるぞ」とよくいわれたという。