目次
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民俗編
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第八章 ことばの民俗と芸能
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第二節 世間話と伝説
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2 村の世間話
握りっ屁
635 ~ 635
握りっ屁は三里臭いといった。八王子まで行くのに、ここいらで半分かな、と思ってそおっと手を開けてみたら臭い。それから八王子へ行って、もう臭くあんべえと言って開けてみたら、本物が入っていた。(落合 男 明治生まれ)
このあたりでは、短くてオチのあるような話をひとつ話という。この握りっ屁もひとつ話である。ほかに、ひとつ話として節分で「福は内、鬼は外」というのをこのあたりでは「フクワアチ、オニャアト」と訛るが、鬼が「今のは外か、内か」と聞いたという話がある。