ことわざは、ことばの技であって、ひろい意味でいえば言語の技芸をさすものと考えられる。ただし、実際には、簡潔な言い回しで、教育や批判などの意味を持つもの、また、娯楽の要素のあるものがことわざととらえられている。多摩市域でも、「昔の人は、そのときそのときでうまいことを言った」「昔の人はとんちがよかった」というように、年下の者に何かを教えたり、言聞かせたりするときも、たくみにことわざを用いて聞かせたという。
いろはかるたに出てくる「犬も歩けば棒にあたる」「総領の甚六」のようなことわざは、よく知られており、日常の生活の中でもよく口にしたという。