日常の生活や農作業をする上での知恵を簡潔なことわざで表現したものがある。
木六(きろく)、竹八(たけはち)
というのは、木と竹を切る時期を表したもので、木は旧暦六月以降、竹ならば旧暦八月以降である。このような教えを上げてみよう。
五月の笹山
小麦は十七を刈れ
秋のぬぐい鍬
木元、竹ウラ
笹が茂っていても旧暦五月になると篠の根が腐りはじめ、やがて木が茂るという。そこから、時期がくると状況が変わって好転するというような意味で使われる。小麦は、熟すると実が落ちてしまうので、若いうちに刈れというのが「小麦は十七を刈れ」である。「秋の拭い鍬」は、秋には鍬は洗うよりも藁でぬぐった方が鍬が錆びないことをいう。「木元(きもと)、竹ウラ」は木を割るときには根元から、竹を割るときにはウラ(先)から割ると割れやすいことをいう。