日常の躾

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ことわざの意義の一つに教育がある。日常生活の中でマナーとしてわきまえておかなければならないことを簡潔に伝えるものである。たとえば膳の出し方は
  縦膳、横膳、左膳
という。膳の木目を縦になるように出すこと、食べる人の横に置くこと、左側に置くことは正しい出し方ではないことを示す。横膳は、死者の膳であり、また、左膳はエビス膳ともいって縁起の悪い出し方になる。
  義理と褌(ふんどし)はかかせない
  あてことと褌は向こうからはずれる
これらは、「義理」や「あてこと」に思いもよらぬ「褌」を結びつけて、いっそう印象を強めていることわざである。ことわざには、このように意外な組合せやたとえを用い、印象を強めているものがある。