自動車が通ることもあまりなく、生活音が少なかったころは、遠くの音がよく聞こえた。
北の音は天気がよくなる(乞田)
南、西の音はいけない(乞田)
乞田地区では、北から音がよく聞こえると、天気がよくなり、南や西の音がよく聞こえると天気が悪くなるといわれている。
北陽気は天気がよくなる(南野)
南陽気は天気が悪くなる(南野)
南野地区では、かつては、小田急線の鶴見川鉄橋を電車が渡る音が聞こえたという。また、横浜線の淵野辺(神奈川県相模原市)あたりの音も聞こえたという。このようなときを、南陽気(みなみようき)といって、天気が悪くなる前兆とした。春のころがよく音が聞こえたという。また、南陽気のときには、石がびっしょり濡れて、汗をかいたような状態になった。
北陽気のときには、立川市の飛行場の音がよく聞こえた。飛行機の試運転のプロペラを回す音である。
関戸の鉄橋が聞こえると曇る(関戸)
京王線の電車が多摩川の鉄橋を渡る音は、関戸地区坂下あたりでも聞こえたという。
八王子が光っている、明日は雨(南野)
八王子は人家が多いので、夜になると、町が明るく見える。しかし、普段は、南野からはよく見えなかった。それが、ぼんやりと明るく見えるときがある。そんなときは、天気は下り坂となり、翌日、雨が降った。