植物の遊び

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市域はメカイの産地でもあり、子どもたちも見よう見まねで小さいときから小刀を使い、竹を細工することを覚えていった。竹を使った遊び道具には、タカアシとよばれた竹馬をはじめ、竹とんぼ、鉄砲など、さまざまなものがあった。また、草や木の葉、木の実、花などをままごと遊びの道具にしたり、草や笹で笛を作った。カンゾウの葉や笹で舟を作り、川に流したり、松の皮を剥(は)ぎ、中を刳(く)りぬいて臘燭(ろうそく)を立てて川に流したりした。男児に人気のあった鉄砲遊びでは、鉄砲の玉に団栗(どんぐり)や杉の実を使った。よく飛ぶように竹でばねを作ったりとさまざまな工夫をした。
表8-1 植物で作る遊び道具
材料 遊び道具
孟宗竹 雪すべり、竹ひご
真竹 竹馬、凧、鉄砲、水鉄砲、竹とんぼ、竹ひご
淡竹 ままごとの道具、虫捕り網、釣り竿
篠竹 虫捕り網、釣り竿、矢、流し針
木の枝・薪・木の皮 竹馬、パチンコ、刀、松の皮の舟、ドジョウブチ
雪すべり、弓の弦 蛍籠(大麦、ビール麦)
しゃぼん玉(小麦)
花・草・葉 矢(葦)、舟(カンゾウ、笹)、笛(笹、麦、葉、たんぽぽ)ままごとの道具、首飾り(れんげ)、人形
木の実 鉄砲の玉・パチンコの玉、(茶の実、楢、櫟、椎)
羽根つき(ムクレンジ)


図8-4 真竹・孟宗竹で作る遊び道具


図8-5 篠竹・淡竹で作る遊び道具


図8-6 木・木の実・草で作る遊び道具