獅子舞の構成

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落合地区の獅子舞は、三匹獅子舞である。三匹獅子舞は、関東以北に多く分布しており、三頭が一組の獅子に道化や花笠などがつくものである。
 現在ではまったく行われていないが、「獅子舞」と題されたガリ版刷りの綴りや昭和十一年の実演の写真が残されており、当時を知る人々の話と総合させると、獅子舞のおよその輪郭をうかがうことができる。
 獅子舞のそれぞれの役割は次のようであった。
獅子(三人)  男獅子(おじし)・女獅子(めじし)・剣獅子(けんじし)の三頭である。白山神社には獅子頭が二組保管されている。どちらも年号の記載はない。獅子頭の後頭部には、雄鶏の羽根と反故(ほご)を細く裂いた注連紙縒(しめこより)が垂れ下がっている。
 獅子は、ゆかたとタッツケをつけ、足袋に草鞋(わらじ)を履く。白山神社に保管されている獅子の衣装は、上下とも、ウチオリとよばれる手織りの木綿である。
 腰には太鼓をつけ、短いばちを両手に持って、太鼓を打ちながら舞った。
幣負(へいお)い(一人)  手拭いで頬被りし面をつけ、背中に軍配を負う。はじめは翁の面をつけて出、途中でひょっとこの面にかけ替える。両手に陰陽の採物(とりもの)を持ち、獅子舞全体の進行役をつとめた。「獅子舞」の綴りの「獅子舞役割」では、幣負いではなく、「行事(ママ)」と記されている。

写真8-27 ひょっとこの面


写真8-28 翁の面

花笠(二人)  女装して、頭に花笠を被る。花笠は布が四方に垂れ、顔が見えないようになる。
万灯(まんどう)(二人)  花で飾った万灯を持つ。
貝吹(かいふき)(二人)  ほら貝を吹く。
拍子木(二人)  拍子木を叩く。
笛方、歌方(三人以上)
 獅子舞の順序は「獅子舞」の綴りには次のように記されている。
  一 道行。笛六通り
  一 入りは。笛六通り
  一 よろけ。
  一 とうひいほう。
  一 すいつぼ。
  一 おかざき。
  一 女獅子かく志。
  一 笛。おかざき。
  一 ひいひやろとひやろ。
  一 おじぎ。
  一 とびちかい。
  一 切り拍子。
  一 ひつほこほつほこ
  一 やまから。
  一 すいつぼ。
  一 こうきいこうきい。
  一 ひょろひょろ。
  一 ほつほこひやうろう。

写真8-29 獅子舞姿