落合夏祭盆踊大会の前身は、旧落合地区の青年団主催の盆踊り大会に求めることができる。
落合地区にはもともと盆踊りの伝統はなかった。あるいは明治・大正時代にはありその後途絶えてしまったのかもしれないが、とにかくこの盆踊り大会は、太平洋戦争後のある時期に青年団が新たに始めたものである。落合地区は当時はまだ雑木林に囲まれたまったくの農村地帯であったが、マスコミの影響や、都市化の波が押し寄せつつあった周辺市・町の賑やかな都市型盆踊りの息吹きを感じとり、青年団の有志が、山王下集落にあったクラブ(集会所)の近くの畑を利用して、八月の盆期間中に小規模に行い始めた。その最初がいつであったかいつごろまで続いていたかはっきりしないが、昭和四十一年八月十四日には踊っていた記録がある。その後、青年の数の減少や青年向け娯楽の増大などにより、盆踊りは青年団の手を離れ落合地区老人会が引継ぐことになった。老人会はそのまま昭和五十四年まで近くの空き地などを借りて続けていたが、少しずつ規模が大きくなってきたため、老人会からの申し出により自治会が主催することになった。もうそのころには、ニュータウンの開発が落合地区でもだいぶ進んでいた。