多摩市周辺は50万年前頃には扇状地が広がる平坦な土地で、相模川が現在の相模原方面から流れ下っていました。その後、流路の変化や隆起により、武蔵野台地のような平坦な台地に変わりました。さらに時間が経過し、大栗川やその支流により侵食が進み、平坦な台地の地形は失われ、斜面を主とする丘陵が成立しました。谷戸を伴う里山の基となる地形の出現です。その成立までおよそ50万年の時間が費やされました。(鈴木毅彦)
造成前の谷戸の風景 1968(昭和43)年11月
[南多摩新都市開発本部関係資料・公益財団法人多摩市文化振興財団所蔵]
写真中央部の左右に伸びる黄色の部分は、乞田川沿いに広がる水田地帯。造成前の谷部と尾根部の地形がよくわかる。
空から見た1961(昭和36)年の多摩センター周辺
[国土地理院撮影空中写真]
多摩ニュータウン造成前の現在の多摩センター周辺には典型的な里山風景が広がっていた。
写真中の場所は、①府中カントリークラブ、②唐木田駅、③東京国際ゴルフクラブ、④多摩センター駅。