雑木林のクヌギやコナラの木には樹液を吸いにカブトムシやコクワガタ、ノコギリクワガタなどが来ていました。シロスジカミキリなどの甲虫類も見られ、オオムラサキなどのチョウもいました。ところどころにはススキの草原があり、ノウサギなども暮らしていました。
畑や水田、林の近くの草むらにはカヤネズミの巣があり、アズマモグラなどのモグラの仲間も生活していました。
草むらには、キリギリスやスズムシ、クツワムシなどが季節ごとに虫の鳴き声を届けてくれました。
谷戸の水田にはドジョウやメダカが泳ぎ、湧水にはサワガニの姿があり、カワニナも棲んでいてホタルの姿もありました。
乞田川や大栗川には、今では珍しくなったカマツカや大きなギバチが泳ぎ、スナヤツメもいました。堰の付近にはドブガイなどが生活し、ヤリタナゴなども泳いでいました。
開発前には、実に多種多様な生き物たちが環境に合わせて生活していたのです。(大澤進)
ホンドギツネ 2020(令和2)年4月24日
[小林健人氏撮影]
キツネの姿を見ることは珍しくなかった。大きく緑が失われたいま、昔からの樹木が残されているわずかな場所にひっそりと暮らしている。撮影地八王子市鑓水。