1953(昭和28)年、町村合併促進法が制定されました。この法は町村の財政基盤を強化するため、人口8,000人以下の町村を合併により解消しようとするものでした。翌年、東京都より由木村との合併が提案されます。両村は一層規模の大きい合併を希望して、この提案に反対しました。
1956(昭和31)年に新市町村建設促進法が公布されると、東京都は引き続き由木村との合併を促します。両村は再度反対して、多摩村・由木村・日野町・稲城町の4か町村合併を目指します。しかし、4か町村の合併はなかなか足並みがそろわず、1963(昭和38)年に日野町が単独で市制を施行しました。由木村では合併をめぐり八王子市か日野市かで意見が拮抗して、住民投票の結果、八王子市との合併を決定します。
1962(昭和37)年5月に住民登録人口が10,000人を超えた多摩村は、単独での町制を準備して、1964(昭和39)年4月1日に施行しました。1889(明治22)年に誕生した多摩村は、75年目に多摩町になりました。(保坂一房)