宅地開発の前哨

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 府中カントリークラブは、銀座にあった東京スポーツマンクラブが設立した会員制のゴルフクラブです。多摩村と由木村の山林などを買収して、1959(昭和34)年にオープンしました。多摩ニュータウン計画区域に含まれて存続が危ぶまれましたが、緑地を確保して周辺の環境保全に寄与しています。1962(昭和37)年には、聖蹟桜ヶ丘駅南側の丘陵地約76haに京王帝都電鉄による桜ヶ丘住宅地の分譲が始まります。目的別道路・上下水道・ガス・緑地・電話・ショッピングストアなどを備えた分譲地で、1971(昭和46)年までに全1,300区画を販売しました。この宅地開発に伴い、聖蹟桜ヶ丘駅前のショッピングセンターなど、商業施設の集積も進みました。(保坂一房)
府中カントリークラブ 1972(昭和47)年

府中カントリークラブ 1972(昭和47)年

[UR都市機構寄贈資料・公益財団法人多摩市文化振興財団所蔵]

2代目理事長は、創業者岩田彦二郎の実兄豊雄(作家獅子文六)。


造成中のコース 1959(昭和34)年

造成中のコース 1959(昭和34)年

[府中カントリークラブ『府中三十年の歩み1959~1989』より]

3番ホール(Par4)の高麗芝張りの風景。


桜ヶ丘住宅地の分譲地 1965(昭和40)年

桜ヶ丘住宅地の分譲地 1965(昭和40)年

[『写真で綴る多摩100年』より]

建物がまだまばらな桜ヶ丘2丁目の分譲地。奥に愛宕の山が見える。