多摩センターは商業、サービス、娯楽、文化の拠点として構想されましたが、その後の社会情勢の変化に柔軟に対応して業務施設、集合住宅も建設され、業務、居住も加えた総合的なエリアになりました。
鉄道は1974(昭和49)年に京王、翌年には小田急が開業しましたが、駅前施設の整備と商業施設「丘の上プラザ」の開設は1980(昭和55)年になります。それ以降、順次百貨店ビル(現ココリア)、京王プラザホテル、パルテノン多摩、サンリオピューロランドなどが開設されました。
1990年代に入ると、多摩ニュータウンの多機能複合化の嚆矢(こうし)として業務施設(朝日生命多摩本社)が開設し、その後福武書店(現ベネッセコーポレーション)東京ビルをはじめとして金融・保険・情報サービス会社のバックオフィスや製造業の本社の立地が続きました。これらの業務施設の集積は、多摩市の税収にも貢献しています。
住宅は当初は計画されていなかった多摩センターですが、2004(平成16)年より民間マンションの入居が始まりました。駅側近と都市機能を享受できる住宅地として人気を呼び、今では約2,500戸の住宅が供給されています。多摩センターは生活感が漂う人々の暮らす街にもなりました。(横山陽)
ファインコミニュティフェアTAMA’81 1981(昭和56)年
[UR都市機構寄贈資料・公益財団法人多摩市文化振興財団所蔵]
丘の上プラザ開業の翌年、コミニュティフェア’81が催された。広大な多摩センターの中に丘の上プラザがぽつんと建っている。
多摩センター全景 2012(平成24)年7月
[公益財団法人多摩市文化振興財団撮影]
駅南からパルテノン多摩に向かってパルテノン大通りが伸び、その向こうには多摩中央公園が広がる。駅北の区画整理エリアにもマンション、複合ビルの建設が目立つ。