多摩市を取り巻くごみ問題

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 50年間で大きく変わったことの一つが「ごみ」ではないでしょうか。
 町から市へ、その同時期にダストボックス収集が始まり、2000(平成12)年に廃止するまで30年間使われました。鉄のボックスを吊り上げて収集する光景は、大量生産、大量消費、大量廃棄の象徴のようでした。そして、ごみ処理施設が次々と作られていきました。
 1990年代になるとごみ量がピークとなり、西多摩郡日の出町にあったごみの最終処分場(谷戸沢処分場)が満杯になるというので、2つ目の処分場建設が計画されましたが、谷戸沢処分場の汚水漏れについて情報公開がなされず激しい反対運動が起き、多摩市民も大勢参加しました。当時、処分場の管理者が臼井千秋多摩市長だったことから、ごみに関わってきた多摩市の人々は大変心を痛め、とにかく「ごみを減らすこと」が大命題となりました。必死で市民協働を進め、ごみの総量は1995(平成7)年をピークに3割以上減少しました。しかし、現在もまだ多摩市は多摩地域26市の中ではごみ量が多い自治体です。今後は、二酸化炭素排出削減やプラスチックごみの削減といった視点からもさらなる施策や行動が求められています。(江川美穂子)
多摩市のごみ量の推移

多摩市のごみ量の推移

ピークは1995(平成7)年度の57,489t。25年間で3割以上減少。


多摩市のごみ年表
ごみの分別は2分別から12分別へと増えていった。
多摩市ごみ年表
1971(昭和46)年市内全域でダストボックス方式によるごみ収集開始
1973(昭和48)年多摩清掃工場が唐木田にできる
1981(昭和56)年資源集団回収補助金制度を設ける
1983(昭和58)年都市廃棄物処理管路施設ができる
1984(昭和59)年有害性ごみの分別収集開始
1987(昭和62)年粗大ごみ処理施設開設
1990(平成2)年生ごみ堆肥化容器(コンポスト)購入補助金制度開始
1991(平成3)年びん、缶、牛乳パックの収集開始
1993(平成5)年多摩ニュータウン環境組合を3市(多摩、八王子、町田)共同で設立
多摩市リサイクル協力店制度開始
1994(平成6)年粗大ごみの収集が有料になる
桜ヶ丘再利用センター開設
新聞・雑誌、ダンボール、古布の収集開始
「多摩市廃棄物の処理及び再利用の促進に関する条例」施行
1998(平成10)年多摩清掃工場のごみ焼却施設が更新され操業開始
ペットボトルの店頭回収開始
1999(平成11)年エコプラザ多摩(多摩市資源化センター)開設
2000(平成12)年ダストボックス方式によるごみ収集を廃止
ペットボトルの収集開始
2008(平成20)年有料指定袋によるごみ収集開始、プラスチックの分別収集開始
2013(平成25)年小型家電・金属類の収集開始
2015(平成27)年草枝の受け入れ開始(エコプラザ多摩)
埋め立てゼロ、全てエコセメント原料へ

最終処分場の逼迫を訴えるたま広報 1998(平成10)年

最終処分場の逼迫を訴えるたま広報 1998(平成10)年


建設中の二ツ塚廃棄物広域処分場 1998(平成10)年

建設中の二ツ塚廃棄物広域処分場 1998(平成10)年


2000(平成12)年ダストボックス収集廃止 1998(平成10)年

2000(平成12)年ダストボックス収集廃止 1998(平成10)年

ごみステーションにあふれるごみ。