1970年代初頭の多摩ニュータウン計画の公園緑地計画では、総合公園の多摩中央公園と、多摩東公園と一本杉公園の2か所の地区公園(後に市では総合公園に分類)、住区内は近隣住区理論に基づき、2か所の近隣公園と7~8か所の街区公園を計画しました。その後1970年代末は公害問題と環境問題が高まり、また自動車の急速な普及による交通事故多発で「交通戦争」と言われる時代でもありました。そこでこれらに対応するため、多摩ニュータウン計画は全域に歩行者・自転車専用道路(遊歩道)の導入を図りました。1980年代に開発された落合・鶴牧地区では、正面に富士山を据えた富士見通りや、奈良原公園から鶴牧東公園に連なる丘のみどりの井桁の骨格空間など「基幹空間」と呼ぶ公園や遊歩道によるみどりの「絵柄」がある街づくりがされました。(大石武朗)
多摩中央公園基本設計
1977(昭和52)年に実施したコンペで最優秀賞となった株式会社あい造園設計事務所の作品を基に、造園家上野泰氏の協力により、同社が基本設計、実施設計を作成し、1987(昭和62)年10月31日開園した。