多摩市内で見ることのできる近代建築では、昭和初期に建てられた「旧多摩聖蹟記念館」が見どころです。この建物は多摩市民が誇れる近代化遺産です。多摩地域の民家建築では、多摩の農村風景と生活を知ることのできる「川井家住宅」が周りの環境を含めて見どころです。多摩中央公園に移築されている「旧富澤家住宅」では名主住宅の間取りを見ることができます。また、一本杉公園に市指定文化財の民家などを見ることができます。ガイドマップとして『多摩市の文化財案内』(多摩市教育委員会)が良いでしょう。(糸井孝雄)
プラスワン住宅(プロムナード多摩中央)
【設計】住宅・都市整備公団、坂倉建築設計事務所
【構造】鉄筋コンクリート構造
【築年】1987(昭和62)年
【場所】多摩センター駅から徒歩約10分
歩行者専用道路沿いに建つ高層住棟の圧迫感をやわらげ、街並みのにぎわいを創り出すため、お店のような住宅を道路に面して設けた。
パルテノン多摩
【設計】曽根幸一
【構造】鉄筋コンクリート構造
【築年】1987(昭和62)年※2020~2021(令和2~3)年大規模改修
【場所】多摩センター駅から徒歩約5分
大・小ホール、ミュージアム、こどもひろば、市民の創意を高める諸室を設けた複合文化施設である。
多摩市立多摩第一小学校
【設計】船越徹
【構造】鉄筋コンクリート構造、一部鉄骨構造
【築年】2009(平成21)年
【場所】多摩市関戸3-2-23
小学校の校舎の建て替えにあたり、市民、PTA、児童、教職員によるワークショップにより設計を進めた。多摩川沿いの景観に配慮したオープンスクールである。
旧多摩聖蹟記念館(多摩市指定有形文化財)
【設計】関根要太郎
【構造】鉄筋コンクリート構造
【築年】1930(昭和5)年
【場所】東京都立桜ヶ丘公園内
明治天皇を顕彰するために明治天皇騎馬像を展示した施設で、ヨーロッパの建築様式の影響を受けた昭和初期の近代建築である。
旧富澤家住宅【構造】木造
【築年】18世紀後半
【場所】多摩中央公園内
1881(明治14)年明治天皇がウサギ狩りに行幸した時以来、行在所として使用された。入母屋造りの屋根のついた式台付き玄関のある由緒ある建物で中央公園内に移築保存された。