多摩市でも、2018(平成30)年夏の災害級の猛暑、2019(令和元)年には、これまで経験したことのない気象現象として強大化した台風第19号の襲来により、多摩川が氾濫直前まで水位が上昇し近隣住民2,000人以上が避難を余儀なくされました。
このような異常気象は地球温暖化が要因と考えられています。そのため、多摩市と多摩市議会は気候が危機的な状況にあることを全市民と共有し、地球温暖化対策に積極的に取り組むことを目的として、2020(令和2)年6月に多摩市気候非常事態宣言を表明しました。
宣言では2050(令和32)年までに二酸化炭素排出実質ゼロ、使い捨てプラスチックの削減、水とみどりの保全の推進を3つの柱として掲げ取り組みを始めています。(多摩市環境部環境政策課)
多摩市気候非常事態宣言 |
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気候変動は、私たち人類とすべての生き物にとって避けることのできない緊急事態です。 世界では、2015年にパリで開かれた国連気候変動枠組条約締結国会議の約束事として、産業革命前と比べて平均気温の上昇を2℃以内に抑えること、さらに1.5℃に抑える努力をすることが掲げられています。 しかし、世界の平均気温は、産業革命前と比べてすでに1.1℃上昇しています。 世界では、もはや「気候変動」ではなく、すべての生物にとって生存が危うい「気候危機」と表現されるようになり、これを防ぐためには、この10年の取組が重要であると言われています。 国内でも大型台風等による災害が繰り返し起こり、昨年は多摩市でも台風19号によって、市民のみなさんが避難を余儀なくされ、いままでどこか別の世界の出来事と思っていたことが、私たちの身のまわりでも起きはじめました。これからもさまざまな災害が拡大して起きるおそれがあると言われています。 これは温室効果ガスの増加に伴う地球温暖化による影響で、すでに疑う余地のない状態です。 この問題を解決していくためには、温室効果ガスの最も大きな割合を占める二酸化炭素を排出しない社会にしていく必要があります。そのために、電気やガスなどのエネルギー使用の節約や、再生可能エネルギーへの転換を進めるとともに、使い捨てプラスチックの使用を削減し、資源の有効活用を図ることで、持続可能で地球に優しいライフスタイルを取り入れた社会に向かうよう取り組みます。 また、気候変動は生態系も脅かします。生態系を育む生物多様性が豊かであれば、気候変動による影響を緩和し、もとの自然環境に戻してくれる調節機能を持ちます。二酸化炭素を排出しない社会にしていくと同時に、生物多様性も保全していく必要があります。 この思いを実現していくためには、私たち一人ひとりがこの気候の危機を「自分のこと」として考え、全員で共有して、二酸化炭素の削減に取り組む必要があります。 私たち一人ひとりの取組は小さくても、市民全員の力が合わされば大きな成果を生み出します。 多摩市及び多摩市議会は、地球温暖化の対策に全力で取り組みます。そして、国連で採択されたSDGsによる持続可能な社会の実現のため、ここに気候非常事態であることを宣言します。
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